- 天下祭の興り
- 松平家初代「親氏公」の祈願である天下泰平は九代徳川家康の天下統一によって成就された。その家康公誕生に使われた産湯の井戸の水で清められた水玉(木製の玉)におのれの願いを込めて触れることで、祈願成就ができる祭りとして再考されたのが天下祭である。
- 鉢巻・判行の由来
- 昔、松平の殿様が氏神六所神社のお祭りに参拝した領民に神の御しるしの判を判行堂において額に押したという謂れがあり、天下祭では祭神である松平親氏公が天下泰平を祈念した三十二文字を4年間に亘り、鉢巻きに判行を受けることにより自らの祈願がかなうとされている。
- 天下祭裸まつりの水玉(霊)の由来
- 松平東照宮産八幡の産湯の井戸は、松平初代松平親氏公の頃より霊験有る井戸として知られ、三代信光の頃から松平家に男子誕生のときは、この井戸の水を用いて産湯として禊祓いされた。
- 家康公誕生のとき岡崎城までこの水を運び慣習に従い産湯とされたことは世に知られている。
- 天下祭に奉仕し、厄払いを乞い願う裸男達が産湯井戸の水玉(霊)に触れることで厄落としの霊験を霊験をいただく特殊な祓い神事である。
- 水玉の霊還しの祭り
- まつりの前夜、産湯井戸の前庭の水玉(霊)を机上に置き井戸を開扉して宮司が水を汲む。禰宜は、この水を受け取り祈念を込めて水玉(霊)に注ぐ。
- 座主は、この水玉(霊)を受け取り所定の場所に納め、天下祭に出御までこれを守護する。
- 座主とは
- 当祭りの主である松平親氏公になり変わり、祭りの主を務める者を座主という。
- 水玉(霊)の座
- 古き慣習に従い、山の立藤を採りて輪を作り水玉の座とする。
- (藤の輪の上に置く)天下祭裸まつりが終わると座主により、この藤の輪を解き堀の水中に投げ入れる。座主の務めもこれですべて解かれる。
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天下和順し日月清明たり
風雨時を以って災廣起きらず
国豊かに民安んじ兵才ふることなし
徳を崇め仁を興しつとめて禮穰を修すべし |
天体に異常が無く、天候にも異変が無くて、災害の発生が無く、従って物産が豊かで安心し生活ができ、争い戦うことが起らないよう人々は努めて人格の向上に力を尽くすべきである。 |